エネルギーにつ使われる解糖系
人間が運動するときのエネルギー供給経路は大きく分けて2種類あります。
ひとつは無酸素の状態でエネルギーを得る経路(アネロビック系)と、
有酸素の状態でエネルギーを得る経路(エアロビック系または酸化系)です。
解糖系は無酸素状態からエネルギーを得る経路に含まれます。
全力運動を行ったときの運動エネルギーは、まず筋肉中のATPが分解することでエネルギーを
得ます。しかし、このATPは数秒で消費されてしまいます。
さらに運動を続けると、クレアチニン酸が分解されることによってADPからATPを再合成し、
エネルギーが供給されます(ATPーCP系)。
しかし、これも8秒程度で消費されてしまいます。そのあと解糖系とよばれるエネルギー供給経路で、
筋肉中のグリコーゲンを乳酸に分解されることによってATPの再合成エネルギーを得ることになります。
解糖系は乳酸系とおよばれ、疲労物質である乳酸を副産物として生み出します。この乳酸などの
代謝産物が筋肉中にある一定濃度以上蓄積するとそれ以上エネルギー発生の反応が進まなくなってしまいます。
全力で走ると300~400mほ(連続全力運動で40秒程度)で苦しくなってしまい、ほとんど走れない状態に
なるのがそれです。それ以降は呼吸をともなう有酸素系(酸化系)によりグリコーゲンや脂肪酸を酸化して
エネルギーを得ることになります。そのため、ダイエットをしている方はまず無酸素系のトレーニング実施後、
酸化系のランニングを行うことにより、脂肪を燃焼させます。